釣狐
一族の狐が次々と猟師にとらえられ、今や我が身もねらわれている老狐が、猟師の伯父である白蔵主という僧に化けて、猟師の家を訪れる。白蔵主は妖狐玉藻前の伝説を語り、狐の執念の恐ろしさを強調し、猟師に狐釣りのための罠をすてさせることに成功する。喜んだ白蔵主は鼻歌まじりに帰る途中、先刻猟師に捨てさせた罠を発見する。罠には大好物の若ねずみの油揚げが餌としてついている。少しちょっかいを出すが飛びついて食いたい衝動を抑え、化身の扮装を脱いで身軽になってから食おうとその場を立ち去る。(中入り)一方、伯父の白蔵主のようすに不審を覚えた猟師は、罠の餌につついたあとがあるのをみて狐の仕業とわかり、罠をかけ直して待機する。やがて正体を現した老狐がやってきて、餌をつつき回すうちに罠にかかるが、必死にはずして逃走する。二場から成り、前ジテは狐のぬいぐるみの上に僧衣をまとっている。後ジテはそれを脱いだ狐の姿で演じる。前ジテは登場してから中入りまで緊張感の連続で、上半身をかがめて極度に腰を入れ、終始、獣足という特殊な足の運びで演技をする。発声も高くとる。技術的、精神的に極度の集中力を要求され、大蔵流では極重習、和泉流では大習として重んじている。狂言師の修業の総仕上げの意味を持ち、これを演じることで一人前の狂言師となる重要な曲。
(via seiichirou)
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